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研究と報告
Neuleptilによる精神分裂病治療の症例記録の統計的考察
著者: 有留輝次1
所属機関: 1塩野義製薬株式会社
ページ範囲:P.139 - P.143
文献購入ページに移動I.はじめに
新phenothiazine誘導体の一つであるNeuleptil(propericiazine)の臨床研究報告は,最初G. Deshaies1),P. Chanoit2)などにより発表され,わが国でも,桜井ら3)は精神分裂病の多数例の検討成績について,冨永ら4)は本剤の妄想およびその周辺に対する作用について,荻野ら5)はフランスの報告にいうtroubles caracterielsに対する本剤の作用について,島崎ら6)は分裂性の精神症状に対する効果ならびに長期維持投薬による再燃予防効果について,それぞれ興味ある結果を報告している。フランスにつづいてわが国でも1964年に本剤が市販されて以来,多くの症例記録が得られた。これら資料について,以前に報告したWintermin(chlorpromazine)7)の場合に準じて統計的分析を行なつた。そのうちphenothiazine系向精神薬の精神分裂病薬物療法について共通的と思われる若干の問題点,すなわちつぎの4項目,
(1)改善群と改善不良群における投与前後の症状評価点の比較
(2)使用薬剤の投与中における効果推測の時期
(3)催病期間と薬剤効果との関係
(4)薬剤の反応と体重変動
に関し,ある程度の客観性をもつた結果を得たので報告する。
新phenothiazine誘導体の一つであるNeuleptil(propericiazine)の臨床研究報告は,最初G. Deshaies1),P. Chanoit2)などにより発表され,わが国でも,桜井ら3)は精神分裂病の多数例の検討成績について,冨永ら4)は本剤の妄想およびその周辺に対する作用について,荻野ら5)はフランスの報告にいうtroubles caracterielsに対する本剤の作用について,島崎ら6)は分裂性の精神症状に対する効果ならびに長期維持投薬による再燃予防効果について,それぞれ興味ある結果を報告している。フランスにつづいてわが国でも1964年に本剤が市販されて以来,多くの症例記録が得られた。これら資料について,以前に報告したWintermin(chlorpromazine)7)の場合に準じて統計的分析を行なつた。そのうちphenothiazine系向精神薬の精神分裂病薬物療法について共通的と思われる若干の問題点,すなわちつぎの4項目,
(1)改善群と改善不良群における投与前後の症状評価点の比較
(2)使用薬剤の投与中における効果推測の時期
(3)催病期間と薬剤効果との関係
(4)薬剤の反応と体重変動
に関し,ある程度の客観性をもつた結果を得たので報告する。
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