文献詳細
特集 精神療法における治癒機転
第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
文献概要
Ⅰ.緒言
精神療法における「治癒機転」の究明は,精神療法のもつ意味をさぐり,医学的治療法としてさらに一歩進展せしめる意義をも有すると考えられる。「治癒機転」を論ずるとき,そこには1人で〈あゆむ〉ことができなくなつた病者が,精神療法によりふたたび新たな〈あゆみ〉を可能にしていく姿をみることができ,この新たな〈あゆみ〉を可能にした契機と,契機たらしめた「治療状況」を症例をとおして可及的に詳密にすることにより,「治癒機転」をうきぼりにしたい。
精神療法における「治癒機転」の究明は,精神療法のもつ意味をさぐり,医学的治療法としてさらに一歩進展せしめる意義をも有すると考えられる。「治癒機転」を論ずるとき,そこには1人で〈あゆむ〉ことができなくなつた病者が,精神療法によりふたたび新たな〈あゆみ〉を可能にしていく姿をみることができ,この新たな〈あゆみ〉を可能にした契機と,契機たらしめた「治療状況」を症例をとおして可及的に詳密にすることにより,「治癒機転」をうきぼりにしたい。
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