icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学9巻4号

1967年04月発行

文献概要

特集 精神療法における治癒機転 第63回日本精神神経学会総会シンポジウム

治癒機転と罪悪感

著者: 安永浩1

所属機関: 1東京大学医学部分院神経科

ページ範囲:P.281 - P.285

文献購入ページに移動
 司会者のご出題である「精神療法治癒機転の共通項……」のうち,はからずも「倫理」的な方面を代表するようなかたちになりましたが,もちろんこれだけが治癒機転である,などと申すつもりはありません。また,本格的な道徳の問題については,Feuer, L. S,やFromm, E. の労作がありますけれども,きようはもつと端的,平凡に,治療的罪悪感の問題に焦点をあててみたかったのであります。したがつてはなはだかぎられておりますが,べつな意味では普遍的なものにつながるようでもあります。書きあげてみますとあたりまえのことだつたような気がしまして恐縮ですが,私自身にとつてはこれが一つの悟りにはなつておりまして,実地にさいしての心組みがだいぶ楽になつたのであります。
 一つのエピソードで始めさせていただきたいと思います。私が医者になつてまだまもないころと記憶しておりますが,先輩から聞かされた話でありまして,また聞きのまた聞き,といった話ですので,事実は確かでありませんが,要旨はつぎのようなものでした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?