文献詳細
文献概要
特集 創造と表現の病理 第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
はじめに フリーアクセス
著者: 島崎敏樹1
所属機関: 1医歯大神経
ページ範囲:P.309 - P.309
文献購入ページに移動この主題をめぐつてシンポジウムをひらく意義がどこにあるかを一言述べる。自分の好きな作家なり,画家なり,作曲家なりがあつて,かれが心に偏りをもつていたか狂気になつたかした場合,自分がたまたま精神医学にたずさわつていたことから,その人物の作品の精神医学的分析を行なうことはだれにもできる。しかしそれはまだ科学に距離がある。このような個人的関心から進んで,共通の,通分された,だれとでも客観的態度で討論できる次元にまでゆかなければ,科学の場での厳しい認識の眼に堪えない。
掲載誌情報