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文献詳細

雑誌文献

精神医学9巻6号

1967年06月発行

回顧と経験 わが歩みし精神医学の道・12

国民優生法の制定をめぐつて—民勢学的調査と双生児研究

著者: 内村祐之12

所属機関: 1東京大学 2日本学士院

ページ範囲:P.440 - P.448

文献概要

 東京に転任して戸惑つたことは,大学教授本来の任務である教育と研究とのはかに,学識経験者の代表として,中央官庁から委員や嘱託を依頼される機会の多いこと,また専門の分野では,精神衛生運動の中心とならざるを得ないことであつた。
 もともと私は,他人との接触がそんなに不得手ではないし,また,誰とでも胸襟を開いて語り合うことができるが,この性質の半ばは後天的なもので,学生時代の寮生活や,ティームプレーを重んじるスポーツの経験から習い覚えたものである。本来の性質はむしろ気弱で,自らに対して自信がもてず,また多分に内弁慶の気味があるので,馴染みの薄い人々の間にはいつて自己主張をすることは,とかく気おくれがして,好むところではないのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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