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文献概要

特集 精神療法の技法と理論—とくに人間関係と治癒像をめぐって 第3回日本精神病理・精神療法学会シンポジウム

森田療法の技法と理論—とくに人間関係と治癒像をめぐつて

著者: 鈴木知準1

所属機関: 1鈴木診療所

ページ範囲:P.471 - P.479

Ⅰ.主として人間関係をめぐる森田療法
 1)外来療法
 外来面接療法の場合は大部分の患者はひとりで治療者を訪ねてくる。そして治療者と患者との1対1の人間関係にある。この場合,かれらに,(1)神経質症状の「とらわれ」の発生機制を説明し,その不安症状はあつてよく,「とらわれた」ままで正常範囲であり1)2)40)41),われわれのふつうの心理と同じもので,強い生の欲望から起こつた無知または誤解に基因2)していることを話す。(2)ふつうの心理であるから,「とらわれ」をもつたまま自らの仕事に精を出し3)42)43),自らの責任をはたすようにすすめる。
 このような自らの生活の行動によつて,(1)症状があつても自らの仕事ができるという事実がわかること,(2)その症状はだれにでもあることの拡大したものであることの自覚がついてくること,を説明する。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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