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文献詳細

雑誌文献

精神医学9巻8号

1967年08月発行

文献概要

展望

Butyrophenone系薬剤の歴史と展望

著者: 原俊夫1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部神経科教室

ページ範囲:P.549 - P.563

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I.はじめに
 精神疾患の治療がphenothiazine系薬剤にはじまる向精神薬の導入によつて大きな変革をとげたことは,疑う余地のないところである。そして,reserpineをprototypeとするrauwolfia-alkaloid,chlorprothixeneを主とするthioxanthene誘導体ならびにtetrabenazineを主にするbenzoquinolizine誘導体などが相ついで出現し,抗うつ剤や緩和精神安定剤にも優秀なものがあらわれてきた。しかし,強力精神安定剤(major tranquilizer)あるいは神経転轍剤***(neuroleptica)としては,chlorpromazineをprototypeとするphenothiazine誘導体が1960年までの主役であつた。
 ところが,phenothiazine,reserpineについで,neurolepticaの第3の系ともいうべきbutyrophenone系薬剤が1958年ころより欧州をはじめとして各国で使用されるようになり,その臨床的価値が本邦においても認められはじめてきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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