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文献詳細

雑誌文献

精神医学9巻8号

1967年08月発行

文献概要

研究と報告

Centrophénoxine(Lucidril)の頭部外傷後遺症に対する効果—精神神経科の立場より

著者: 太田幸雄1 元村宏1 川端利彦1 古籔修一1

所属機関: 1大阪赤十字病院精神神経科

ページ範囲:P.587 - P.595

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 Centrophénoxine(Lucidril)を頭部外傷(主として後遺症)症例11名にもちい,多次元的診断の立場より効果をみていつた。頭重感,めまい,気分のいらだちなど一般の神経衰弱様症状群,頭痛(神経痛)に著効があつた。また,抑うつにも有効であつた。
 そのほか,人格変化としての易怒性,自発性低下,Bradyphrenie,にも少し有効であつた。記銘力低下にも若干の効果がみられた。
 以上の効果は主として器質的原因によるものにみられ心因性の要素の強いものでは効果がみられなかった。
 上の事実よりcentrophénoxineは頭部外傷後遺症のあらゆるケースに使用して効果が期待できると考えられるが,ことに,もつとも治療困難である人格変化症例の生活指導,精神療法,作業療法を行なうさいの導入または支持のためにもちいるならば非常に効果が期待できると考える。
 なお,1例に白血球減少を認めた以外,副作用はまつたくなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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