文献詳細
研究と報告
新眠剤nitrazepamの臨床—二重盲検法を用いて
著者: 矢幅義男1 武者盛宏1 岩淵辰夫1
所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.677 - P.681
文献概要
Benzodiazepine誘導体に属するchlordiazepoxideやdiazepamが,最近実地臨床の場において,狭義のtranquilizerとしてのみならず,眠剤として就眠前に使用される機会が増えてきたのは,それらの薬物の有する傾眠作用が積極的に利用されつつあるためと考えられる。
Nitrazepamは,1965年F-Hoffman-La Roche社において開発された新しいbenzodiazepine誘導体であり,すでにヨーロッパ諸国では眠剤として市販されている。本剤は従来の眠剤と異なり,主として辺緑系において覚醒調節系にいたる余剰刺激を遮断することにより睡眠をもたらすもので,その睡眠は生理的で後に不快な症状を残さないという3)6)。
掲載誌情報