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文献詳細

雑誌文献

胃と腸1巻4号

1966年07月発行

今月の主題 胃潰瘍〔1〕

綜説

X線診断による胃潰瘍治癒判定および再発の問題について

著者: 五ノ井哲朗1 五十嵐勤1 飯野文夫1 鈴木秀武1 塩谷敏夫1

所属機関: 1福島医科大学第二内科

ページ範囲:P.347 - P.355

文献概要

1.はじめに

 胃潰瘍は再発しやすいものであり,それが胃潰瘍の特徴である,といわれています.では,胃潰瘍の再発はどれくらいあるのか.これについては数多くの報告があって,3年以内の再発率としては30~90%という幅のある数字をみることができます.

 一方,いちど瘢痕治癒した潰瘍が,ふたたび潰瘍化してくることがあるだろうか,また,再燃を再発としてあつかわれたことはないだろうか,という疑問があります.このことは,潰瘍は再発しやすい,といわれてきたことと同じように前から指摘されています.

 かたや,再発は胃潰瘍の特徴であるとし,かたや,はたしてそうだろうか,という相反する立揚があるのです.

 私たちは,この問題をときあかすポイトンの一つは“潰瘍の治癒判定をどうするか”にある,と考えています.

 治癒判定があやふやであれば,治癒していなかった潰瘍の増悪,つまり再燃を再発としてあつかうことになります.再燃と再発とをはっきり区別していなければ,再発率としてあげられている数字は事実を意味していないことになります.また,再発しやすいことは胃潰瘍の特徴である,といいきれなくなります.

 本文の第1のねらいは,X線診断上胃潰瘍の治癒判定をどうするか,にあります.第2のねらいは,胃潰瘍の再発という問題の検討です.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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