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文献詳細

雑誌文献

胃と腸1巻6号

1966年09月発行

技術解説

ファイバースコープ(その2)

著者: 竹本忠良1

所属機関: 1東京大学医学部中尾内科

ページ範囲:P.593 - P.598

文献概要

Ⅷ.ファイバースコープによる胃内各部位の観察順序と観察体位

 ファイバースコープを胃内に挿入したのち,どの部位から観察を開始すべきであるかについて述べる.実際には臨機応変に観察順序を変更しなければならないことが少なくない.たとえば比較的出血しやすい症例あるいは病変では問題部位を早く,より良好な条件で観察しておいた方がよい.

 しかしながら,胃内病変を探しだすには原則的なルールを設けておくことが必要である.観察中途で病変を探しだし,そこの観察に相当時間を費したとしても,あとは再び通常の観察順序に戻って最後までくまなく胃内を観察することが病変をみおとしなく発見する要点である.とかく一つの病変を発見してしまうと安心してしまって,そこで検査終了としがちであるが,それでは多発性病変を見落としてしまうのが当然であろう.一つみつけたらもう一つと探し求めてゆかなければならない.増田10)らはファイバースコープはややもすれば1個の病変のみの観察のみに満足する嫌いが多く,胃疾患の診断のためにはかなり技術の熟練が必要であると警告しているが,どんな症例でも胃全体をいつもみる習性を身につけておくべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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