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胃細胞診(その1)
著者: 信田重光1 滝田照二1 沢田好明1 高村達1
所属機関: 1順天堂大学第1外科
ページ範囲:P.709 - P.713
文献購入ページに移動最近数年間における早期胃癌診断学の進歩は,目をみはるものがある.この分野でのX線,および胃内視鏡検査の重要性は,特にScreeningとしての役割を含めて極めて大であることは言うまでもない.細胞診は,以前は細胞採取技術と,細胞検鏡に可成りの習熟を必要とするため,その重要性は認められつつも一般への普及は,他の検査法に比して著しいものではなかった.しかし近年,わが国におけるFibergastroscope(FGS)の開発が進み,諸外国でも例をみない直視下生検用(B型),および直視下洗浄細胞診用(K型)FGSが作製されるにおよんで,小病巣よりの適確な細胞採取が可能となって来,またそれによる早期胃癌の細胞診成績がほとんど100%に近い適中率を示すことが報告1)2)3)されて以来,細胞診に対する関心は以前にまして急激に昂まって来,それと共に,従来より行なわれているAbrasive Balloon法や酵素液洗浄法の価値も又新たなる段階で再評価されつつある現状である.
よって本稿では,技術解説という主旨にもとづいて,まず総論的に細胞処理を,次でAbrasive Balloon法と洗浄法の手技について述べ,次稿においてFGSによる直視下細胞診の方法を実際に則して説明したい.
なお細胞染色検鏡法としては,
1.May-Grünwald Giemsa法(M-G-Giemsa法と略記)
2.Papanicolaou法
3.Hematoxylin-Eosin法(H-Eと略記)
4.螢光顕微鏡法
5.位相差顕微鏡法
6.干渉位相差顕微鏡法
などがあるが,詳細については後に述べる.
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