文献詳細
今月の主題 ポリープ〔2〕
綜説
胃ポリープと集団検診について
著者: 草加芳郎1 木原彊1 荒滝令資1 青地一郎1 辻宰1 谷川高1 石原陽一1 太田淳久1 小川智之1 小坂久史1
所属機関: 1岡山大学医学部小坂内科教室
ページ範囲:P.777 - P.782
文献概要
胃ポリープの最初の報告はOtto(1824)で,初めてX線で確定診断をしたのはHeinz(1914)であり,また最初に胃鏡で診断した人はSchindler(1922)である.わが国においても明治37年久保1)の報告以来,数多くの報告がみられ,最近,レントゲンおよび内視鏡の診断技術の向上,並びに胃集団検診の普及と共に多くの胃ポリープが発見されるようになってきた.その成因については,Borrmann9)の先天性説,Konjetzny10)らの後天性説があり,また現在もっとも注目され,かつ重要視されている癌性変化の問題についても,Paul1)(1947),Carey12)13)(1950)の反対意見もあったが,久留14)がポリープを前癌状態として重要性を強調して以来,急に注目されるようになってきた.その悪性化については,村上15)その他16)~22)の高率な悪性変化率が発表されている.いずれも今までの発表例の多くは,何らかの愁訴をもって病院を訪れた人を対象にしているわけで,われわれは無自覚な健康一般住民を対象に胃の集団検診を実施しているので,この観点から胃ポリープの発見頻度並びに胃集検で発見されたポリープの悪性変化率について報告したい.
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