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今月の主題 胃粘膜下腫瘍 綜説
胃粘膜下腫瘍の内視鏡診断
著者: 古沢元之助1
所属機関: 1九州大学医学部井口外科
ページ範囲:P.899 - P.910
文献購入ページに移動近年,胃X線,内視鏡,細胞診などの検査法の著しい進歩によって,各種胃疾患の発見並びに鑑別診断の可能性が大きくなってきた.
胃の非上皮性腫瘍,即ち胃粘膜下腫瘍においても,その内視鏡所見がかなり報告されるようになり,胃粘膜下腫瘍の内視鏡診断もある程度まで可能となってきた.いうまでもなく,胃粘膜下腫瘍にも良性のものと悪性のものとがあり,両者の内視鏡像にはかなりの差異がある.良性のものでは,滑平筋腫,神経線維腫,線維腫,脂肪腫,骨軟骨腫,血管腫,好酸球肉芽腫,迷入膵等があり,これらの内視鏡像は,1,2のものを除き,ほぼ同様の所見を呈し,これら相互間の鑑別診断は困難である.従って,臨床的にはこれらのものを一括して胃粘膜下良性腫瘍として扱った方が便利である.悪性の胃粘膜下腫瘍としては胃肉腫があることは周知のところである.
教室で,組織学的検索により胃粘膜下腫瘍であることを確認し得た症例のうち,術前内視鏡検査が行なわれていた滑平筋腫7例,神経線維腫4例,異所性胃壁内骨形成の1例,好酸球肉芽腫2例の良性合計14例と細網肉腫4例,悪性リンパ腫2例の悪性合計6例を中心に胃粘膜下腫瘍の内視鏡診断について述べる.
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