文献詳細
文献概要
胃と腸ノート
肝悪性腫瘍の血管造影の意義とX線所見(2)
著者: 有山襄1 池延東男1 大橋計彦1
所属機関: 1順天堂大学医学部消化器内科
ページ範囲:P.50 - P.50
文献購入ページに移動正常の肝ではsinusoidは門脈血75~80%,動脈血20~25%の割合で満たされるが,hepatomaでは動脈血が大部分を占めるので,血管の拡張と蛇行,動脈内の造影剤停滞が起る.したがって血管造影像では血管増生,異常血管の拡張,腫瘍濃染,動静脈shuntingが特徴的な所見としてみられる.図1はnoradrenalinを使用した肝動脈撮影で肝右葉に血管増生(↑印),異常血管の拡張(↑印)がみられ塊状型hepatomaと診断できる.図2はhepatomaの症例の腹腔動脈撮影の毛細管相で,肝全体に結節型の腫瘍濃染像が多発している.図3は塊状型のhepatomaの腫瘍濃染像(↑印)と動静脈shunting(↑印)がみられる.通常のshuntは動脈と門脈の間に生じるが,この例では動脈と肝静脈の間にshuntingがある.
掲載誌情報