文献詳細
研究
Linitis plasticaの原発巣についての病理組織学的研究―胃底腺粘膜から発生した癌とlinitis plasticaとの関係
著者: 中村恭一1 菅野晴夫1 丸山雅一2 杉山憲義2 高木国夫3
所属機関: 1癌研究所病理部 2癌研究所付属病院内科 3癌研究所付属病院外科
ページ範囲:P.79 - P.86
文献概要
Linitis plastica状態の胃癌の原発巣は一般的にその形態からして不明の場合が多くその原発巣に触れている文献は極めて少ない.Saphir and Parkerは,幽門前庭部に発生した癌が胃体部へびまん性に拡がることによってlinitis plastica状態となる場合が多いと述べている.Stout(1953)は,linitis plasticaは胃粘膜あるいは異所性胃粘膜から発生した癌が胃壁全層をびまん性に拡がった状態である,とのみ記載している.最近,佐野ら(1974)はⅡc型のある癌がlinitis plastica状態になると述べている.
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