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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻1号

1975年01月発行

研究

Linitis plasticaの原発巣についての病理組織学的研究―胃底腺粘膜から発生した癌とlinitis plasticaとの関係

著者: 中村恭一1 菅野晴夫1 丸山雅一2 杉山憲義2 高木国夫3

所属機関: 1癌研究所病理部 2癌研究所付属病院内科 3癌研究所付属病院外科

ページ範囲:P.79 - P.86

文献概要

 胃癌のうちで最も予後の悪い型とされている“Linitis plastica”はBrinton(1865)によって命名されたのであるが,当時はlinitis plasticaの成り立ちについて,炎症および癌腫の両方が考えられていた.その後,Saphir and Parker(1943)はlinitis plasticaの大部分は癌によるものであることを指摘し,そしてlinitis plasticaは胃癌の一つの状態像であることから“Linitis plastica type of carcinoma”とした.現在では,linitis plasticaは一つの独立した疾患ではなく,胃癌の一つの状態像であると理解されている.

 Linitis plastica状態の胃癌の原発巣は一般的にその形態からして不明の場合が多くその原発巣に触れている文献は極めて少ない.Saphir and Parkerは,幽門前庭部に発生した癌が胃体部へびまん性に拡がることによってlinitis plastica状態となる場合が多いと述べている.Stout(1953)は,linitis plasticaは胃粘膜あるいは異所性胃粘膜から発生した癌が胃壁全層をびまん性に拡がった状態である,とのみ記載している.最近,佐野ら(1974)はⅡc型のある癌がlinitis plastica状態になると述べている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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