文献詳細
今月の主題 胃の良・悪性境界領域病変
主題
胃の良・悪性境界領域病変―私はこう思う
著者: 谷口春生1 和田昭1 建石竜平1 岩永剛2
所属機関: 1大阪府立成人病センター病理 2大阪府立成人病センター外科
ページ範囲:P.1449 - P.1454
文献概要
このような病変は,その後,胃の手術材料中に単独に,あるいは癌病巣と併存して検討される機会も多く,良性・悪性境界領域病変1)~5),異型上皮6)7)8),あるいはⅡa subtype9)などと呼ばれ,形態学的・生物学的にその性格がよく理解されるようになった.しかし,その異型腺上皮増生巣が病理学的な疾患単位として如何なる位置におかれるべきかについては問題が残っているようである.著者はかねて病巣を構成する上皮細胞のうち,特にパネート細胞の分布する位置に問題を求め10),同じく,病巣内において核分剖像のみられる位置にも特徴のある所見を得たので,それを中心に私見を述べたい
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