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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻11号

1975年11月発行

今月の主題 胃の良・悪性境界領域病変

主題

胃の良・悪性境界領域病変のX線診断

著者: 山田達哉1 木村徹1 慶田喜秀1 中野元1 島本正人1 阿部荘一1 真喜志金造1 原田一実1 高杉敏彦1 岡崎正敏1 牛尾恭輔1 萩原健一1 松江寛人1 笹川道三1 土井偉誉1 市川平三郎1

所属機関: 1国立がんセンター集団検診部・放射線診断部

ページ範囲:P.1479 - P.1485

文献概要

 X線診断や内視鏡診断技術の著しい進歩に伴って,早期胃癌をはじめ胃内の微細病変が多数発見されるようになってきた.今回のテーマ“良・悪性の境界領境病変”も,診断技術の進歩と共にクローズアップされてきたと言ってよかろう.この病変は,異型上皮1)~4),Ⅱa-subtype5)6)など種々な名称で呼ばれているが,一般には異型上皮と呼ぶ場合が多いようである.異型上皮は,組織学的に“良性病変”でもなく,また“癌”でもない“境界領域”に属する病変であると佐野は述べている7)

 異型上皮は一般に隆起を示すものが大部分で,陥凹あるいは平坦のものは数がすくない3)4)7).そして多くの揚合には隆起型早期胃癌,ことにⅡa型早期胃癌と肉眼所見が非常によく似ている1)2).にもかかわらず異型上皮は,良性病変とは言えないし,“癌”とは決めにくく,しかも“癌化”の傾向は低いとされており3)7),異型上皮とわかれば経過観察してよいというのが大方の考えである.したがって,異型上皮がわれわれ臨床家とくにX線診断家の間で問題となるのは,Ⅱa型あるいはⅠ型早期胃癌との鑑別がたいへん難かしい1)2)ということである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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