icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻12号

1975年12月発行

今月の主題 全身性疾患と消化管

主題

脳卒中と胃病変

著者: 常岡健二1 小野正浩1 会田大義1 石原開1 大関正知1 浜中捷彦1 大橋和夫1 斉藤靖1

所属機関: 1日本医科大学第3内科

ページ範囲:P.1617 - P.1622

文献概要

 日常の臨床において脳卒中発作後,その経過中,突然に吐血あるいは下血を見ることは必ずしも少なくないし,またこれが脳卒中死因上大きな役割を占めたと考えられる場合もある.出血の原因は急性の胃または十二指腸の出血性ビラン,急性潰瘍,慢性潰瘍の急性増悪によるものである.このような中枢性の疾患と胃腸病変の関連性については,Rokitansky(1861年)が初めて報告して以来,動物実験によってその発生機序についての研究が行なわれてきた.従来,脳卒中自体が重篤な疾患であり,急激な経過をとるため胃・十二指腸の病変についての研究報告は主に剖検例に限られていた.近年,胃内視鏡の進歩に伴い,生前にこれらの検討が可能となり,この種の病変の早期診断,ひいては早期治療にもある程度の期待がもたれる.

 著者らは脳卒中134例の経過中,吐血・下血を来たした胃・十二指腸潰瘍4例を経験し,いずれも出血巣を内視鏡的に観察し,かつ経過を追求しえた.これら症例について概要を報告するとともに,脳卒中,その他脳疾患と胃・十二指腸病変との関連について若干の文献的考察を加えてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら