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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻2号

1975年02月発行

文献概要

今月の主題 胃粘膜―(2)潰瘍,ポリープの背景として 主題

胃潰瘍の瘢痕区域narbiger Bezirkとその臨床的意義について

著者: 五ノ井哲朗1 五十嵐勤1 安斎幸夫1

所属機関: 1福島医科大学第2内科

ページ範囲:P.153 - P.161

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 胃粘膜の変化を,潰瘍の背景として,またX線診断の立場から考察することが与えられたテーマである.従来,胃潰瘍の背景として論じられてきた胃粘膜の変化には,各種のびらん,各種の胃炎あるいは粘膜萎縮などの問題があるが,私たちはこれまで胃潰瘍の背景という視点からはほとんど言及されたことのない胃粘膜の所見として,潰瘍瘢痕を採りあげて考察することにする.

 潰瘍瘢痕は潰瘍治癒の結果であって,それを潰瘍の背景というのは奇矯にきこえるが,潰瘍病変の経過を観察しているうちに,私たちは潰瘍の結果である瘢痕が,かえって潰瘍の推移,予後を左右する要因の1つであり,またその観察によって潰瘍の性状についての多くの情報が得られると考えるようになった.この問題については既に2,3の報告を行なっているが,それらを含めてやや総論的に,潰瘍瘢痕を胃潰瘍の背景という視点から検討してみようということである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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