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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻2号

1975年02月発行

文献概要

今月の主題 胃粘膜―(2)潰瘍,ポリープの背景として 主題

Polypoid lesionの背景としての胃粘膜―レ線的立場より

著者: 織田貫爾13 塚田隆憲1 勝田康夫1 秡川正嗣1 白田一誠1 早川尚男1 吉川保雄1 白壁彦夫1 安井昭2

所属機関: 1順天堂大学医学部内科消化器 2順天堂大学医学部消化器外科 3癌研病理

ページ範囲:P.171 - P.177

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 隆起性病変のX線診断は,その形態から,大きさ,高さ,側面像,正面像をもって,Ⅱa,ATP,ポリープ,粘膜下腫瘍の鑑別診断を行なっている.その診断結果を,西沢は,X線検査で悪性だと診断し,組織も悪性であったものが82.1%,良性と診断し,組織も良性であったものが97.3%と報告した.X線検査と内視鏡検査を行ない,その最終診断でも悪性の疑いとして残ったものが7.9%,また,良性だと誤診したものが6.3%と,われわれも報告した.ここに生検を行なわなくてはならない領域がある.

 さて,隆起性病変のX線診断で鑑別診断上,問題になるところを考察してみる.病変の大きさと胃内腔への隆起の高さで隆起性病変を分類したものが図1である.図からⅡa,ATP,ポリープの分布が10mm~20mmのところに集まっている.隆起性病変も,小さく,隆起の程度も軽微になると,X線的鑑別がむずかしく,X線診断可能の限界をさらに拡大するための企てとして,異なった観点から有効な所見のひろい上げができるならば,それを加味することによって診断の確かさを増すであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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