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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻2号

1975年02月発行

文献概要

今月の主題 胃粘膜―(2)潰瘍,ポリープの背景として 主題

胃隆起性病変の背景としての胃粘膜病変と胃液分泌機能

著者: 福地創太郎1 望月孝規2

所属機関: 1虎の門病院消化器科 2虎の門病院病理学科

ページ範囲:P.179 - P.183

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 胃の局在性病変を論ずる場合,とかく病変自体の形態学的性状に関心を奪われ,局在性病変の発生の場である胃粘膜の形態学的変化や分泌機能との関連についての考察がおろそかになりがちである.胃の各種隆起性病変についても,好発年齢,好発部位,病変を取り囲む胃粘膜の性状,胃液分泌機能などは多少とも異なり,このような種々の背景に注目することは,病変の的確な診断のためにも,その成因や本態の解明のためにも重要である.

 胃隆起性病変には種々の型があるが,そのうち,粘膜下腫瘍は胃粘膜の形態学的変化や胃液分泌機能との直接の関連が乏しいと考えられる.また,いわゆるたこいぼ型のびらん,あるいは疣贅状胃炎とよばれる病変は,一般に萎縮の少ない,胃酸分泌のよく保たれている胃粘膜に好発し,胃液の自己消化作用による頻回のびらんの結果として発生するものと考えられるので,むしろ消化性潰瘍と近縁の病変と見なし,今回の検討からは除外した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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