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今月の主題 胃粘膜―(2)潰瘍,ポリープの背景として 主題
十二指腸潰瘍の背景としての胃粘膜―内視鏡的立場より
著者: 比企能樹1 楢本純一2 高橋俊毅3 石田秀夫4
所属機関: 1北里大学医学部外科・臨床検査部 2北里大学医学部内科 3北里大学医学部外科 4北里大学医学部臨床検査部
ページ範囲:P.201 - P.207
文献購入ページに移動さらに十二指腸潰瘍症例における胃粘膜の記載に関してSchindlerが内視鏡的にとらえ報告した肥厚性胃炎がある.これはその後も多くの学者によって,その存否に関しても議論のあるところである.すなわちWood,Henning,Palmerらによると,むしろ否定的な報告が多く,原らによれば組織学的検索により肥厚性胃炎像をみたものは1例もないと述べている.しかし現在までにはっきりいえることは,内視鏡的にSchindlerが述べた所見をわれわれが日常検査の所見として観察しうることは確かで,ことに十二指腸潰瘍症例にそのような所見があらわれる頻度が高いことも,諸家の報告によって明らかにされている.
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