文献詳細
研究
下部食道噴門癌の食道浸潤状況の診断に関する一考察―ことにX線撮影方法の工夫について
著者: 犬尾修三1 三戸康郎1 平野雅士2 杉町圭蔵2 中村輝久2 井口潔2
所属機関: 1福岡大学医学部第2外科 2九州大学医学部第2外科
ページ範囲:P.209 - P.217
文献概要
一方,われわれの過去に切除された食道噴門癌の詳細な組織学的検索によると,食道浸潤先進部の肉眼的な形態と切除断端癌遺残率 ow(+)との間にきわめて密接な関係があることがわかり,また過去の症例のX線像をretrospectiveに検討してみると,その約半数に食道浸潤の型,食道浸潤の長さのX線上の読みの誤りがあることが明らかとなったことから,食道浸潤のX線撮影法にいま一歩の工夫が望ましいことが痛感された.そこでわれわれは下部食道の二重造影を中心とした食道胃入口部附近の撮影に工夫をこらし,食道浸潤の診断に良好な成績を納めているので,その概要を紹介する.
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