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書評「耐性と化学療法」 フリーアクセス
著者: 石山俊次1
所属機関: 1日本大学外科
ページ範囲:P.397 - P.397
文献購入ページに移動耐性の概念がKossikoffによって始められたのが1887年というから,ずいぶんと古い歴史をもっているが,臨床上問題となったのは,選択的な抗菌力の著しい抗生物質ができてからで,1950年から1960年半ばまでが,そのピークであった.従って60年代に合成ペニシリンが完成され,各種の抗生物質が数多く開発されるにつれて,実地上の問題は解決に向ったといえる.しかしこの間に耐性の科学は長足の進歩を遂げて,その伝達や酵素による耐性機構が明らかにされ,新しい物質の開発にまで応用されるに到った経緯は,本書の記載に明瞭である.ことに,R因子,後にプラスミドやr因子の存在は,著者の独壇場である.
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