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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻4号

1975年04月発行

文献概要

胃と腸ノート

膵癌の血管造影の意義とX線所見

著者: 有山襄1 池延東男1 大橋計彦1

所属機関: 1順天堂大学医学部消化器内科

ページ範囲:P.468 - P.468

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 膵癌は世界で共通して増加しつつあり,本邦でも石井の統計によれば膵癌の入口10万人に対する死亡率は1972年では1951年の6倍に増加している.一方,治療成績は不良で手術後の5年生存率は0.2%ときわめて低い.この数字は切除可能な小さな膵癌の診断のむずかしさを物語っている.

 われわれは過去3年間,膵癌の診断に低緊張性十二指腸造影,経皮経肝胆道造影(PTC),内視鏡的膵胆管造影(EPCG)および血管造影の4つのX線検査法を用いてよい成績をあげてきた.現在までの組織学的に確診された症例は19例で18例(95%)に正確な診断ができ,切除可能例は2例でうち1例は2年以上生存中である.診断できた最も小さな膵癌は2.0×1.5cmである.膵癌を頭部癌と体尾部癌に分けて検査法の有効性を検討すると表のようになる.すなわち,低緊張性十二指腸造影はpick-up検査として手軽に行なえることが利点で,頭部癌にはかなり有効であるが,体尾部癌は大きなものでないと拾い上げはできないし,十二指腸第3,4部に変化が現われるような例はすでに手術不能なことが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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