icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻4号

1975年04月発行

文献概要

胃と腸ノート

食道の早期癌・表在癌の内視鏡診断

著者: 遠藤光夫1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター外科

ページ範囲:P.498 - P.498

文献購入ページに移動
 食道では早期癌は「癌の浸潤が粘膜下層までで,リンパ節転移のないもの」と定義され,リンパ節転移および他臓器に転移の認められたり,リンパ節転移をうんぬんしないときは表在癌とよぶが,内視鏡上では,表在型として一括して表現する(食道癌取扱い規約,1973).早期癌,表在癌は年々報告例がふえているというもののまだ少なく,鍋谷らによれば,1973年末までの全国集計は90例余である.われわれも過去9年間で22例(早期癌16例,表在癌6例)を経験しているが,これは同期間の切除例524例中の4%にすぎない.

 臨床症状は,軽度嚥下障害,食道異物感,異常感などの食道不定愁訴,軽度嚥下痛などでが主あって,胃の集検,定期検査で食道造影を併用,無愁訴例の発見に努めるとともに,外来受診者でわずかの食道症状を見のがさないようにすることが大切である.食道鏡検査として,細径(径7mm)のファイバースコープでの検査は,患者の負担も少なく,外来でのスクリーニングに使用できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?