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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻5号

1975年05月発行

文献概要

胃と腸ノート

Gastritis erosiva及びGastritis verrucosaのX線像(1)

著者: 佐田博1

所属機関: 1早期胃がん検診協会

ページ範囲:P.596 - P.596

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 中心に陥凹,その周りに周堤のある“いわゆるタコイボ型びらん性胃炎”は,Gastritis erosiva(消失型,急性の滲出性病変)とGastritis verrucosa(存続型または疣状胃炎,慢性の増殖性病変)の二種類に分類される.

 Abelは,1954年の論文“Die Röntgen Diagnose der Gastritis erosiva”の中で次のように述べている.即ち,“消えるもの(Gastritis erosiva)”と“消えずに存続するもの(Gastritis verrucosa)”とのX線学的鑑別には,圧迫撮影が大きな武器になり,Gastritis erosivaは圧迫の程度を少し強めると隆起が見えなくなるもので,隆起内容が軟らかいためである.一方,Gastritis verrucosaは少し強い圧迫を加えても消えないWarzige Schleimhaut Erhebungenとして表現されるもので隆起内容はHyperplasieであると.以上のAbelのX線的観察の鋭さには,現在でも我々の舌をまくものがある.しかし,実際には彼のいうごとき圧迫撮影所見のみからでは,両者の鑑別は困難なことが多いことも事実であり,これは高度の技術を要求する圧迫撮影法自体のもつ困難な本質に起因すること大と言えよう.本欄では,6回にわたり,Gastritis erosiva及びGastritis verrucosaのX線像につき各型の症例を供覧する.さて本シリーズを始めるに当り,はじめに本病変の鑑別診断上,臨床的に問題になる点をまとめると表1のようになる.鑑別診断に当り,原則的な攻め方としては,

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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