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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻5号

1975年05月発行

症例

胃カルチノイドの4症例

著者: 陳宝輝1 蕭泉豹1 魏忠夫1 林光洋1 王朝欣1 張峯鳴1 徐光輝2 杯賢忠2 廖応隆2 黄徳修3 陳定堯3 丸山正隆4 竹本忠良4

所属機関: 1台北市立仁愛病院内科 2台北市立仁愛病院外科 3台北医学院病理科 4東京女子医科大学消化器内科

ページ範囲:P.657 - P.662

文献概要

 カルチノイド腫瘍の組織学的な最初の記述は,1808年Merlingによる虫垂と小腸の嗜銀性腫瘍に関するものであるといわれる.その後1888年にLebarschはこの腫瘍がLieberkühn腺の腺窩から生ずることを指摘し,さらに,1897年Kultschitzkyによりクローム親和性細胞(Kultschitzky細胞)に由来する腫瘍であることを示した.GossettとMassonはこの細胞中に多数の嗜銀性顆粒がふくまれているという特徴を示し,嗜銀性細胞(argentaffin cell)と称し,それ故,カルチノイド腫瘍はargentaffinomaともいわれた.

 カルチノイドという言葉は1907年Oberndorferによるもので,癌類似の組織像を有しているが性格的にはむしろ良性のものであることから命名されたものである.さらにこれが内分泌性のホルモン産生性腫瘍であることに光をあてたのは,1952年ErspamerとLembeckで,Kultschitzky細胞からセロトニンが分泌されることを示したときにはじまり,Page,Corcoran,Udenfriendらはセロトニンの代謝産物である5-hydroxy-3-indole acetsic acid(5-HIAA)の尿中濃度の上昇が,この腫瘍の存在のよい指標となることを示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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