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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻5号

1975年05月発行

文献概要

研究

進行胃癌における血管侵襲の臨床病理学的解析―予後に関連した血管侵襲の判定規準を中心として

著者: 長尾孝一1 松嵜理1 井出源四郎1 小野田昌一2 磯野可一2 佐藤博2

所属機関: 1千葉大学医学部病理学教室 2千葉大学医学部第2外科学教室

ページ範囲:P.677 - P.685

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 進行胃癌の予後を考える上には,種々の因子があるが,そのなかでも癌細胞による血管変化は血行性転移の観点から大きな意義をもっている.この癌細胞による血管変化の臨床病理学的な検索には,血行性転移が実証できる剖検例から得られた種々の結果を手術材料に応用し,予後との関係を調べることが良いと考えられる.

 胃癌の血行性肝転移が大循環系臓器転移の一部としてみられることはむしろ稀で,門脈系血行性転移が大部分である.したがって,胃癌原発巣の癌細胞による血管変化を,血行性肝転移の有無により2つのグループに分けて検索した.さらに,その剖検で得られた血管変化を中心に摘出胃癌について予後および予後を決定すると考えられる諸因子との関係を調べた.また,「胃癌取扱規約」に述べられている血管侵襲に関する記載は必ずしも明確でないため,血管侵襲の意義を明らかにし,その判定規準を明らかにすることも本研究の大きな目的の1つとした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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