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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻6号

1975年06月発行

文献概要

今月の主題 消化管憩室 主題

十二指腸憩室,特に傍乳頭憩室の臨床的意義について

著者: 武内俊彦1 宮治真1 後藤和夫1 片桐健二1 高畑正之1 伊藤誠1 加藤紀生2

所属機関: 1名古屋市立大学医学部第1内科 2岐阜県立多治見病院消化器内科

ページ範囲:P.729 - P.738

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 十二指腸憩室に関してはCaseらがレ線的に診断してから,諸家により多くの報告がみられるが,近年,膵,胆道疾患への関心が高まるとともに低緊張性十二指腸造影(以下HDG)が日常検査として行なわれるようになり,十二指腸憩室に遭遇する機会も増加してきている.十二指腸憩室の大部分は無害であると考えられ,従来等閑視される傾向にあったが,傍乳頭憩室についてLemmelはPapillensyndromの呼称のもとにparapapillären Divertikelの臨床的重要性を指摘している.本邦においても第14回日本消化器病学会秋季大会で「十二指腸憩室の臨床」と題するシンポジウムがもたれて討論されたが,憩室の臨床的意義が十分把握されたとはいいがたい.その理由の1つとして憩室が解剖学的にきわめて複雑な位置にあり,近接する諸組織の変化を的確につかむことが容易でないことがあげられる.また,憩室に遭遇する機会が多い割には臨床家の関心がうすかったことも一因であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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