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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻6号

1975年06月発行

文献概要

今月の主題 消化管憩室 主題

大腸憩室病の最近の考え方―特に病理,病理発生を中心に

著者: 武藤徹一郎1 原宏介1 堀江良秋1 神谷直治1 松丸清1 富山次郎1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.739 - P.748

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 近年,大腸疾患に対する興味の高まりとともに,大腸憩室病の発見頻度も上昇する傾向にある,大腸憩室病に関する総説的論文は数々あるが,それらの内容を総合すると大腸憩室病の最近の考え方を以下のように要約できよう.

 種々の原因によって,大腸固有筋層のmortor activityが上昇し,筋層肥厚などのmuscle abnoromalityが生じるとともに腸管内の圧上昇がもたらされる.この圧上昇のために腸管壁のweak spots,主として血管侵入部において粘膜の腸壁外へのherniationが生じる,これが憩室であり,diverticulitis,peridiverticulitisなどはこの憩室に派生的に発生する合併症の1つである.

 このような考え方が生まれるに至るには,X線学的研究,組織学的研究,生理学的研究の積み重ねが必要であった.ここにこれらの研究の足跡をたどりつつ,大腸憩室病の病理,病態を浮き彫りにしたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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