胃と腸ノート
上十二指腸角
著者:
永井規敬1
大井至1
竹本忠良1
所属機関:
1東京女子医科大学消化器病センター
ページ範囲:P.814 - P.814
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いうまでもなく,上十二指腸角(Superior duodenal angle, SDA)は,十二指腸内視鏡検査において,球部およびそれ以降の部位観察の上で大切な目標となる.球部内観察の場合(特に,側視鏡で)SDAは,一視野でとらえたとき視野の左上方から右下方にアーチをつくり,胃角に類似した像をつくっている.多くは,この肛門側にKerckring皺襞が出現する.しかし,この言葉は,ふるくから解剖学,X線学上使用されている上十二指腸曲(Flexura duodeni superior)と類似しているし,名称の定義が十分に理解されなかったため,球部内のオリエンテーションの実際にまだ誤解を生じているのが現状である.いまさらという感もあるが,球部内の唯一のオリエンテーション指標となるSDAについてもう一度考えてみよう.