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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻7号

1975年07月発行

今月の主題 消化管の非上皮性腫瘍

症例

レックリングハウゼン病に合併し肝転移をきたした巨大胃神経肉腫の1例

著者: 丸山雄造1 荻原迪彦2 林四郎2 川原信義3 川原一祐3

所属機関: 1信州大学附属病院中央検査部 2信州大学医学部第1外科学教室 3信州大学医学部第1病理学教室

ページ範囲:P.889 - P.893

文献概要

 レックリングハウゼン病(以下レ病)に伴なう内臓病変,ことに消化管病変についてはGrodsky & Francisco1),Williams & Pollack2)等何例かの症例に接し,Palmer3)も同症に生じた28例の胃神経鞘腫例を蒐めているが,比較的稀な症例である.レ病は1882年von Recklinghausenにより皮膚のcafé au lait spotと皮下神経線維腫の多発を主徴とする疾病として記載されたが,メンデル優性型遺伝を示し,屡々内臓の神経系の異形性,時に内分泌腺の腺腫形成を伴なうことから先天性(遺伝性)全身性母斑症として理解されるようになった.Stout4)は更にSturge-Weber病,Hipple-Lindeau病も一括し,その中に中枢神経型,末梢神経系型,内臓神経線維腫症型及び少数の特殊型の四亜型を設けて論じている.

 最近定型的な経過を示したレ病の胃に巨大なポリープ状の神経肉腫を形成し,切除後広般な肝転移を来して死亡した興味ある1例を経験した.Stout4)によれば内臓神経線維腫症に含まれるべき病像を示しており,その悪性化,併存した膵β細胞腫等なお検討の余地を残しているが,胃病変を中心に報告したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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