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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻7号

1975年07月発行

胃と腸ノート

興味ある胃病変の病理解説(7)

著者: 下田忠和1 佐野量造1

所属機関: 1国立がんセンター病理部第1組織病理

ページ範囲:P.896 - P.896

文献概要

 前号で限局性肥厚性胃炎(Localized hypertrophic gastritis)について述べた.今回は本疾患と紛らわしい像を示す隆起性胃癌を供覧し,その鑑別点について述べる.

 症例8 40歳 女(名大内科,中野浩氏例)

 胃体部の後壁,幽門腺境界に接して粘膜ヒダが限局性に肥厚し,迂曲蛇行している.その表面は乳頭状または顆粒状を呈している,また,幽門部には急性ビラン,顆粒状変化(慢性胃炎性変化)および胃角上小彎に潰瘍瘢痕を認める(Fig. 1).組織学的にはこの肥大した粘膜は単純な体部腺の肥厚である.また,幽門側の粘膜は萎縮性変化を示している(Fig. 2).すなわち,本例は限局性肥厚性胃炎である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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