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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻7号

1975年07月発行

文献概要

今月の主題 消化管の非上皮性腫瘍 症例

胃のいわゆる癌肉腫の1例

著者: 渡辺騏七郎1 磨伊正義2 立野育郎3

所属機関: 1国立金沢病院病理 2国立金沢病院外科 3国立金沢病院放射線科

ページ範囲:P.903 - P.909

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 Carcinosarcomaは,いまだ混乱した,議論の多いentityである.同一腫瘍内にepithelial(carcinomatous)およびnon-epithelial(sarcomatous)の両組織成分を混ずる悪性腫瘍に名づけられ,稀なものであるが,子宮,呼吸器系,乳腺,食道,甲状腺等によく記載をみる.胃におけるcarcinosarcomaの記載は極めてまれであり,Tanimura and Furuta1)によれば,1904年のQueckenstedtの第1例報告以来,1967年の彼らの報告を含め24例を数えるにすぎない.24例中14例は本邦例である.しかし,この24例の収載にはcollision tumorも含まれており,carcinosarcomaに対する考えいかんによっては,より少数となり,あるいは胃に関してその存在自身も疑われさえする.著者らの経験した胃のいわゆるcarcinosarcomaの1例を報告し,検討を加えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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