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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻7号

1975年07月発行

文献概要

今月の主題 消化管の非上皮性腫瘍 症例

直腸に発生した形質細胞腫の1例

著者: 西田一巳1 沢野芳郎2 藤田博正2 富田濤児2

所属機関: 1国立栃木病院研究検査科病理 2国立栃木病院研究検査科外科

ページ範囲:P.957 - P.961

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 形質細胞腫は,その多くは骨に発生する多発性骨髄腫として知られている.一方,骨髄以外の軟部組織に原発する形質細胞腫は,髄外性形質細胞腫(Extramedullary plasmacytoma)と呼ばれ,稀な腫瘍であるが,その多くは上気道,口腔内に発生する1)2)3)4)5).消化管に発生する形質細胞腫は少なく,Hampton(1957)6)は180例の髄外性形質細胞腫中21例(12%)に消化管原発のものがみられ,そのうち小腸が12例,ついで胃が9例と上部消化管に多く,大腸に発生した症例は1例に過ぎない.近年Nielsen8)ら(1972)は大腸に原発した形質細胞腫1例を報告し,文献的に7例を合せて集録して報告しているに過ぎない.私共も62歳の男子で直腸に原発した形質細胞腫を経験したのでここに報告し,併せて文献的に考察を試みた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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