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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻8号

1975年08月発行

文献概要

今月の主題 クローン病とその周辺 主題

クローン病を特集するにあたって―用語,定義の問題をふくめて

著者: 岡部治弥1

所属機関: 1北里大学医学部内科

ページ範囲:P.1009 - P.1013

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 Crohn病は1932年,CrohnとMount Sinai Hosp.,N. Y.の共同研究者により初めて回腸終末部の病気として発表された1)ものであるが,これはただちに回腸のどこにも同様病変の発生することが示唆され,さらにその後空腸も侵されることがわかり,regional enteritisと呼ばれるようになった.さらに1952年,Wells2)は同一疾患が大腸に起こりうることを初めて発表し,1959年,Brooke3)は大腸のCrohn病と潰瘍性大腸炎は内科的,外科的治療に対する反応が異なるので両者の鑑別が重要であることを強調した.彼は特にCrohn病において全大腸摘出後の空腸炎再発に重要な意義をおいている.このようにして1960年代になると両者の鑑別4)5)について,その臨床的,放射線学的,また病理学的判定規準が研究されるようになり,現時点においても欧米における消化器内科・外科・放射線医および病理学者はこの両疾患の鑑別を消化器病診断学領域における最も挑戦的な主題の1つにしているのである.

 1972年5月発行のClinics in Gastroenterology1巻2号はCrohn病特集号6)である.Editorial boardのひとりB. N. Brookeがその緒言に次のように書いている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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