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今月の主題 クローン病とその周辺 主題
クローン病の臨床像
著者: 石川誠1 渡辺晃2 山岸悟郎3 五味朝男2 正宗研2 東海林建一2 山形敞一2
所属機関: 1山形大学医学部第2内科 2東北大学医学部山形内科 3山形大学医学部保健管理センター
ページ範囲:P.1027 - P.1037
文献購入ページに移動一方,右側結腸に限局している非特異性大腸炎や区域性病変を示す非特異性大腸炎はregional ulcerative colitis(Bargen & Weber3),1930),right-sided(regional)colitis(Crohn & Berg4),1938),regional segmental colitis(Bargenら5),1945)などと呼ばれ,従来潰瘍性大腸炎の一病型とみなされていたが,近年このようなもののなかにCrohn病に似た肉芽腫性病変を示すもののあることがLockhart-Mummery & Morson6),Janowitz7)らによって明らかにされ,granulomatous colitis(肉芽腫性大腸炎),Crohn's disease of the colon(大腸Crohn病),regional enteritis of the colon(大腸の限局性腸炎),transmural colitis(全層性大腸炎)などと称せられている.しかるに,CIOMS2)よれば,本症は「主として右側結腸を侵し,ときに閉塞や他の腸管,膀胱,骨盤内臓器とのあいだに瘻孔を生ずる区域性,肉芽腫性,全層性の炎症性病変である.大腸のCrohn病と考えているものが多いが,特発性大腸炎(ulcerative colitisと同義語)と混同されることも多い」とあり,名称は,それぞれ英語ではregional colitis,フランス語ではclite régionale,スペイン語ではcolitis regionalである.さらに,本症をgranulomatous colitisと称することはさしつかえないが,regional migratory ulcerative colitis,right-sided colitis,segmental ulcerative colitisなどの名称は用いないほうがよいとしている.
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