文献詳細
今月の主題 クローン病とその周辺
主題
クローン病の病理組織学的診断
著者: 斎藤建1 高橋敦1 町田武久1 加藤洋2 喜納勇3
所属機関: 1自治医科大学病理学教室 2東京大学医学部病理学教室 3浜松医科大学病理学教室
ページ範囲:P.1053 - P.1061
文献概要
特異性炎とは増殖性炎の型をとって経過する際に形成される肉芽組織が,その疾患に特異的な組織像を呈する肉芽腫の型をとる場合に用いられる名称である.肉芽腫とは肉芽組織より成る腫瘤6)という意味であるが,組織学的には大型単核球(類上皮細胞)および巨細胞より成る球状の結節を意味する.特異性肉芽腫を形成する疾患の代表として結核があるが,結核菌感染症でも時に肉芽腫を欠き,瘢痕化した場合,肉芽腫が消失することは稀でない.また結核のように原因が明らかな疾患のみを特異性炎と呼ぶことが多いが,肉芽腫性炎と同義語に解釈し,サルコイドーシス等の原因不明の肉芽腫も特異性肉芽腫に入れる人もいる8).
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