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文献詳細

雑誌文献

胃と腸10巻9号

1975年09月発行

文献概要

今月の主題 消化管疾患の新しい診断法 主題

色素による内視鏡検査法―早期胃癌を中心に

著者: 橋本睦弘1 竹田彬一1 郡大裕1 井田和徳2 川井啓市3

所属機関: 1京都府立医科大学第3内科 2岐阜歯科大学内科 3京都府立医科大学公衆衛生

ページ範囲:P.1157 - P.1165

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 近年の消化管内視鏡診断学の進歩は目覚しく,教室でも今日までに264例の早期胃癌を経験しており,早期胃癌の内視鏡診断に日常困難を感ずることは少くなった.もちろん,癌浸潤範囲や深達度の診断,あるいは胃粘膜面の形態変化が軽微な平坦型早期胃癌や微小胃癌の把握など,より精細な病変の内視鏡診断にはいまだ問題が残るが,この解決法の一つとして拡大内視鏡などの器種の改良とともに,内視鏡的色素撒布法が注目され,胃内視鏡診断学の中で新しい展開がなされてきたのである.すなわち,色素撒布法は胃粘膜表面の粘液を処理することに成功1)~3)して以来,通常内視鏡検査では観察できなかった胃粘膜面の微細な凹凸性変化を描出できるようになり,正常胃粘膜の胃小区単位の検討4)5)を経て,本法が各種胃疾患に応用され,形態学的な内視鏡診断能の向上ばかりでなく,さらには病態の機能を応用した内視鏡診断へと変遷しているのである6)~10).早期胃癌への内視鏡診断は癌病巣と周辺非癌性粘膜の識別,さらには通常内視鏡検査では診断不能なⅡb型早期胃癌診断へといくつかの新しい知見が加えられた10)~12).本文では内視鏡的色素撒布法の概略を述べるとともに,早期胃癌の診断に対する本法の有用性とその応用についてふれてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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