文献詳細
症例
5年生存を得た膵頭部腺房細胞癌の1例
著者: 出雲井士朗12 高橋孝3 深見敦夫3 高木国夫3 金孟和4 熊倉賢二34 坂元吾偉5 中村恭一5
所属機関: 1癌研究会附属病院外科 2東京医科大学第1外科 3癌研究会附属病院外科 4現 慶応義塾大学放射線診断科 5癌研究会癌研究所病理部
ページ範囲:P.91 - P.98
文献概要
症例
症 例:K. M(♀)36歳
家族歴:特記すべきものはない.
既往歴:18歳 急性虫垂炎虫垂電切除.酒少量,煙草20本/日.
現病歴:1969年1月初,右季肋部に鳩卵大の腫瘤に気づく.同年9月初,腫瘤全体の硬度は増し,同部位にとう痛が発現,近医を受診,胃X線検査にて異常を指摘された.同年10月4日当院外科受診.全経過を通じて,貧血,黄疸,体重減少は認められない.病悩期間10カ月.
現 症:体格中等度.黄疽,貧血を認めず.右季肋部に11.0×9.0cmの境界鮮明なる硬い表面平滑の腫瘤を触知,可動性はない.肝腫脹,脾腫脹,腹水,脾動静脈血管雑音,Courvoisier's signはいずれも認められない.
一般検査:ー般検査所見をTable 1に示す.血清アミラーゼ値の軽度上昇を認めたほか,特に異常を認めず,P. Sテストなど膵外分泌試験は施行していない.
掲載誌情報