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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻1号

1976年01月発行

研究

限局性腸炎の外科的治療

著者: 山崎匡1 林哲明1 亀山仁一1 桃野哲1 佐々木巌1 佐藤寿雄1 塚本長2

所属機関: 1東北大学医学部第1外科教室 2山形大学医学部第1外科教室

ページ範囲:P.107 - P.113

文献概要

 限局性腸炎は1932年Crohnら1)によってはじめて報告されたが,現在でもなお原因や病態の不明な疾患である.したがってその治療は対症療法が主になされており,そのうち難治性のものや合併症を併発した場合が手術適応となっている.しかし,外科治療の面では手術術式や再発などの問題がある.今回,著者らは教室で経験した限局性腸炎26例について臨床所見と手術成績を検討し,あわせて外科治療上の問題点を中心に老察を加えた.

自験例の検討

 1.限局性腸炎の頻度

 限局性腸炎などの腸の非特異性潰瘍の概念や分類などについては現在やや混乱がみられているが,教室における症例を疾患別に示すとTable 1のごとくである.すなわち,昭和36年4月より49年3月までに経験した腸の非特異性潰瘍86例のうちもっとも多いのは潰瘍性大腸炎50例であり,次いで限局性腸炎26例である.また特発性潰瘍10例については大腸の症例が2例のみで,残り8例は小腸のいわゆる非特異性多発性小腸潰瘍と称されるものである.また限局性腸炎の頻度についてみると同期間の入院患者総数9,613例の0.3%に相当した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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