文献詳細
今月の主題 胃スキルスの病理
主題
文献概要
スキルスとは
Rudolf Virchowが1855年から1856年にかけてWürzburg大学で講じた病理解剖学総論の中に,Scirrhusについて述べた部分がある.
「癌は2つの形態に区分される.すなわち,硬い癌とやわらかい癌(fester und weicher Krebs)或は,線維性癌と細胞性癌(Faser-und Zellenkrebs, Carcinoma fibrosum und cellulosum)である.古くは硬いものをscirrhusと(漠然と)呼んでいた.この表現は硬い形態にも適用されていた.その後,硬い病変すべてをScirrhusと名づけるようになった.今日では,一般に硬い癌だけのこととみなされている.これに対し,このScirrhus状態という表現は,単に硬い物(Scirrhosität)とみなされたときにも,しばしば用いられているのである.このScirrhus状態或はScirrhusをCirrhoseと混同してはならない.この語は,もっとも多く肝の変化について名づけられており,しかも本来は,黄色い状態という意味しか有していないのである.これらの状態を名づける場合に,この表現を用いる必要は全くないのである.何となれば,Skirrhusの代りにfester Krebs(硬い癌),Cirrhoseの代りにkörniger Zustand(顆粒状状態)と呼べばよいのである.」
Rudolf Virchowが1855年から1856年にかけてWürzburg大学で講じた病理解剖学総論の中に,Scirrhusについて述べた部分がある.
「癌は2つの形態に区分される.すなわち,硬い癌とやわらかい癌(fester und weicher Krebs)或は,線維性癌と細胞性癌(Faser-und Zellenkrebs, Carcinoma fibrosum und cellulosum)である.古くは硬いものをscirrhusと(漠然と)呼んでいた.この表現は硬い形態にも適用されていた.その後,硬い病変すべてをScirrhusと名づけるようになった.今日では,一般に硬い癌だけのこととみなされている.これに対し,このScirrhus状態という表現は,単に硬い物(Scirrhosität)とみなされたときにも,しばしば用いられているのである.このScirrhus状態或はScirrhusをCirrhoseと混同してはならない.この語は,もっとも多く肝の変化について名づけられており,しかも本来は,黄色い状態という意味しか有していないのである.これらの状態を名づける場合に,この表現を用いる必要は全くないのである.何となれば,Skirrhusの代りにfester Krebs(硬い癌),Cirrhoseの代りにkörniger Zustand(顆粒状状態)と呼べばよいのである.」
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