文献詳細
今月の主題 胃スキルスの病理
主題
胃びまん性癌における粘膜内癌浸潤と線維化についての病理学的考察
著者: 下田忠和1 広田映五2
所属機関: 1東京慈恵会医科大学病理 2国立がんセンター病理部
ページ範囲:P.1265 - P.1274
文献概要
著者らは今までこのような癌は予後の最も悪いもので,大部分は3年以内に死亡し,臨床的,病理学的に通常の胃癌とは生物学的に異なった性格を有する特殊な癌であることを主張してきた.すなわち,Borrmann 4型癌は臨床的には一見非常に経過が早く,また病理学的には単に表層拡大型胃癌の末期像ではなく,特殊な進展形式を示し,かつ胃全体に高度の線維増生を来す癌であることを,臨床経過追跡資料および外科的手術材料よりその究明に努めてきた.これらについては今まで多くの発表をしてきたので,今回はびまん性癌の肉眼像および高度の線維増生(fibrosis)の成因について病理学的な著者らの考えを述べる.
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