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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻10号

1976年10月発行

文献概要

今月の主題 胃スキルスの病理 主題

胃硬癌の臨床的ならびに病理組織学的所見

著者: 中村恭一12 菅野晴夫2 杉山憲義3 丸山雅一3 馬場保昌3 高木国夫4

所属機関: 1筑波大学基礎医学系病理 2癌研究所病理部 3癌研付属病院内科 4癌研付属病院外科

ページ範囲:P.1275 - P.1284

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 胃癌の1つであるいわゆるスキルスは,一般的に,胃癌の中で予後の悪い癌であるとされている.そして,わが国においてはスキルスといった場合には,癌の肉眼型であるBorrmann 4型あるいはlinitis plasticaを意味する場合がある1)12)26)27)30).一方では組織水準で,スキルスは胃癌の特徴ある組織型の1つとして硬癌adenocarcinoma scirrhosum22),scirrhous carcinoma13),carcinoma fibrosum3)7)と呼ばれている.さらには,このような組織型は乳癌にも多いものである.このように,いわゆるスキルスという言葉は胃においては肉眼的水準および組織学的水準での両方の意味を含んでいて混乱を与えている.スキルスという言葉を用いる場合にはどの臓器でどの水準の意味で用いているのかを明確にしておく必要がある.

 著者らは,スキルスという言葉は癌の形態ではなく癌の質的なことを意味するものであるとの立揚から,胃におけるスキルスの臨床的ならびに病理組織学的なことについて統一的にながめてみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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