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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻10号

1976年10月発行

文献概要

今月の主題 胃スキルスの病理 主題

Linitis plastica型胃癌の病理組織学的研究

著者: 渡辺英伸1 八尾恒良2

所属機関: 1九州大学医学部病理学教室第2講座 2九州大学医学部第2内科学教室

ページ範囲:P.1285 - P.1296

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 linitis plastica型癌は種々の肉眼型の胃癌のうちでもっとも予後の悪い肉眼型とされているが,その概念や定義については諸家の間でいささか見解の相違がある.組織学的に見られる著明な線維形成をEppingerらは浮腫部に見られる漏出血漿成分による漿液性炎症の結果とし,佐野らはその過程を水溶性コラーゲンが不溶性コラーゲンに変化するためとしている.一方,乳腺の硬性癌では癌細胞が結合織線維を産生するという報告がある1)

 linitis plastica型胃癌は広範に浸潤しているためにその原発巣の検索は従来十分になされていなかった.Saphir & Parker(1943)は幽門前庭部に原発する癌が胃体部へびまん性浸潤をしてlinitis plastica型癌が形成されることが多いと述べている.近年に至り経過観察例が報告され,原発巣の部位や形態が解明されつつある10).佐野らはⅡc型癌の一部に,また中村らは胃底腺粘膜に発生した癌に原発を求めている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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