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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻12号

1976年12月発行

文献概要

今月の主題 放射線診断の最近の進歩 主題

EMI全身スキャナーによるComputerised Tomography

著者: 有山襄2

所属機関: 1 2順天堂大学医学部消化器内科

ページ範囲:P.1563 - P.1590

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 Computerised Tomography(CT)はX線を診断の目的で使用する極めて有効な検査法である.従来のX線検査では認められなかった組織間の細かいX線吸収差が表現され,まず脳疾患X線診断に応用されて驚異的な成功を収めた(Ambrose,1973,Paxton & Ambrose,1974).この装置の発明者G.N. Hounsfieldの業績の偉大さは医療に従事するものがいかにCTを高く評価しているかによって明らかである.脳疾患は侵襲を加えることなしに描出され,病変の早期診断が可能で,重篤な患者でも状態を悪化させることなく検査が可能である.CTが利用できる脳神経放射線科では気脳検査と血管造影の件数が著明に減少した(Ambrose et al,1976).

 脳疾患に対するCTの疑いない診断価値は他の身体部分を検査できる装置の開発を促した.全身CTの経験は現在急速に集積されているが重要なことは全身CTで脳疾患も診断できることである.全身CTで得られる脳疾患の画像は最新の頭部専用CTの画像と比肩できるもので,両機種とも被検者を水でかこむ(water bagの使用)必要はなくなった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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