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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻12号

1976年12月発行

今月の主題 放射線診断の最近の進歩

主題

原発性肝癌の血管造影

著者: 木戸長一郎1 守亮三1

所属機関: 1愛知県がんセンター病院放射線診断部

ページ範囲:P.1591 - P.1603

文献概要

 肝などの実質臓器の診断に選択的血管撮影(selective angiography)が有用なことはいまさらいうまでもないが,肝癌を疑うすべての症例に対して,この検査を施行することは,技術的問題もさることながら,患者の負担や放射線被曝の点からも決して安易に行ないうるものではない.したがって最近のように,血管撮影はかなり普及もし,ルーチン化した検査法になったとはいえ,ある程度最終的な診断法の1つであることは否定できない.

 これに対し,99mTc-Sn-colloidなどで代表される肝のscintigraphyは患者に与える苦痛のない点からいっても,screening testの1つとして,かなり有効な検査法であるが,その局在診断は現在使用されているgamma cameraの機構およびdetectorでは直径2cm以下の病巣を診断することはかなり困難であるといわねばならない.しかも,その病巣が的確に認められたとしても,それが実質性腫瘍か,囊腫性腫瘍かの鑑別はもちろん,その組織診断を推定することはほとんど不可能ともいえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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