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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻12号

1976年12月発行

今月の主題 放射線診断の最近の進歩

主題

膵癌の血管造影

著者: 有山襄1 池延東男1 黒沢彬1 高木直行1 河合信太郎1 白田一誠1 栗原稔1 吉川保雄1 白壁彦夫1 炭田正孝2 高木俊孝2 福田芳郎2

所属機関: 1順天堂大学医学部消化器内科 2順天堂大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.1605 - P.1617

文献概要

 膵癌の症例に血管造影を行なうと,そのほとんどはhypovascularで,腫瘍濃染像や造影剤のpoolingを示すことは稀で,血管造影所見としては動脈のencasement,閉塞としてみられることが多い.したがって腹腔動脈と上腸間膜動脈を造影するだけでは小さな膵癌の診断は困難な場合が多く,superselective angiographyが必要である.また門脈系をarterial portographyによって描出するか否かも血管造影の膵癌診断能に関係がある.

 膵癌の血管造影の診断能についてはすでに多数の報告がある1)~18).これらの報告のうち膵癌の大きさと血管造影の診断的中率について記載されているものは少数にすぎない.その上,血管造影の手技が一定しないのでどのような方法でどの程度までこまかい動脈を造影した結果の診断能であるかもはっきりしない.本邦では多数の施設で血管造影が行なわれているが,その施行方法が一定していないのが現状である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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